
黒帯は命令の証ではない。積み重ねてきた時間と姿勢の象徴だ。
人は命令では動かない。
理念でも動かない。
「空気」で動く。
その空気をつくるのが ”ボトムアップ”です。
空手の指導員をしていますと、空手の審査会が近づくたびに、
「無事に終わるだろうか?」
「空気が重くなりすぎないだろうか?」
そんなことを考えてながら、審査会の準備をしています。
技術や結果だけでなく、武道の審査会は支部全体の空気がそのまま表れる場でもあります。
今回、私が所属する支部で行われた空手の審査会は、和気藹々としながらも緊張感が保たれており、非常にバランスの良いものでした。
なぜ、あの空気が生まれたのか。
この記事では、私が現場で見た「空気が整っていく順番」を、再現できる形で整理してみます。
道場運営や審査会の進行で悩む指導者ほど、ここがヒントになるはずです。
関連記事:姿勢がすべて!──武道家が教える「姿勢改善」と心が整う本当の理由【顎を引く・胸椎を起こす方法】
世代がつながると空気が整う
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誰かに支えられて立つ場所ではない。それでも、人は自分の意思で渡っていく。
ボトムアップとは、上から号令をかけて動かすのではなく、現場の一人ひとりが「自分ごと」として動き、空気を作っていく運営のことです。
今回の審査会は、まさにそれが機能していました。
馴れ合いと緊張のバランス
審査を受ける側から見た場合、
・評価される空気
・失敗できないという無言の圧力
・その場に流れる張り詰めた緊張感
そんな印象を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
このような空気は、確かになくてはならないものです。
しかし今回の審査会は、場の雰囲気は柔らかく、それでいて必要な緊張感は失われていませんでした。
この両立は簡単なようで、実はとても難しいものです。
ですが今回は、それがごく自然な形で成立していました。
武道組織の作り方
空気が整っていた理由は、伝統(先輩の在り方)が“次の世代”に上手く渡っていたことだと感じました。

先輩から受け継がれた姿勢と集中が、次の世代へとつながっていく。
世代間ギャップを埋める
今回の審査会でまず印象的だったのは、世代を超えたつながりでした。
若い黒帯の方々も増え、新たな仲間が加わる中で、場の雰囲気は終始前向きで、穏やかなものでした。
一方で、決して緩んでいるわけではなく、審査会としての緊張感は、きちんと保たれていました。
今のこの支部は、
「厳しさ」と「和やかさ」
のバランスが、非常に良い状態にあると感じます。
バランスの取れた組織運営
では、どのようにして私の所属する支部が、上手くバランスの取れた組織運営ができたのか。
良き先輩が土台と受け継ぐ後輩
かつて支部を牽引していた先輩がこの場を去ってから、早いもので数年が経とうとしています。
そして、かつては若手だったそのイズムを受け継ぐ選手も、気づけば27歳。
すでに中堅の域に達しました。
私にとって彼は、その先輩の「在り方」を継承している、唯一の存在です。
堂々とした佇まい。
前に出すぎず、しかし引きすぎない姿勢。
それは、厳しくも愛情深い指導を続けている師範のもとで、長い時間をかけて鍛えられてきた証だと思います。
心から尊敬しています。
関連記事:「負けを受け入れる力」──52歳で挑んだ最後の空手試合が教えてくれた人生の学び
空気は全員でつくるもの

空気は大人だけでつくるものではない。そこにいる全員の意識と姿勢が、場を形づくっていく。
道場生の意気込み
今回の審査会は人数も多く、決して楽な進行ではありませんでした。
それでも全体が非常にスムーズだったのは、受審者一人ひとりのやる気とアグレッシブさが、場を前向きに動かしていたからだと感じます。
トップダウンになってはならない
トップダウンも時には必要ですが、それだけでは心が萎縮してしまい、一人一人の良いところが上手く機能しなくなります。
誰か一人が引っ張るのではなく、その場にいる全員が
「この審査会を良いものにしよう」としていました。
空気は、確実に伝染していました。
これは紛れもなく、ボトムアップで引き起こされた結果だったと思います。
私自身も微力ながらこの場に加わることができ、純粋に「幸せだ」と感じました。
これほど気持ちの良い審査会は、久しぶりです。
自分の支部でも意識できる3つの視点
今回の審査会を通して、これは特別な環境だから起きたことではなく、意識次第で、どの支部でも近づけるものだと感じました。
私なりに感じたポイントを、3つ挙げてみます。
・中堅が自然と“つなぎ役”に立っていること
若手とベテランの間に立つ存在がいるだけで、空気は驚くほど安定します。
・厳しさが「恐怖」ではなく「信頼」から来ていること
指導が厳しくても、敬意があれば人は萎縮しません。
・審査会を「選別の場」ではなく「通過点」と捉えること
場の空気が変わるだけで、受ける側の姿勢も自然と変わっていきます。
どれも特別なことではありませんが、積み重なると、確実に支部の雰囲気を変えていくと感じています。
これは決して、トップダウンだけでは機能しない体験でした。
結局、審査会の成功を決めるのは「腕前」よりも「空気」でした。
関連記事:優しさがあるから強く出られないは間違い|空手と仏教に学ぶ“本当の強さ”
審査会は、支部の“今”を映す鏡

この審査会のとき、私自身あまり良くない出来事が続き、正直なところ、少し調子を落としていました。
しかしこの審査会を通して、自分の気持ちが整理され、「流れが変わったな」と感じる瞬間がありました。
審査会は、技術や結果だけでなく、支部の空気そのものが映し出される場なのだと思います。
もし、審査会の雰囲気や在り方に悩んでいる方がいれば、
「空気づくり」
という視点を、ほんの少しだけ意識してみてほしい。
本当に、良い審査会でした。
押忍。
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【この記事を書いた人】

極真空手歴20年。トラックドライバーとして日々の労働をこなしながら、仏教・禅・気功の修行を重ね、心の鍛錬と現実生活を融合した生き方を探求。
ブログ「LifeSpirit」では、**“優しさこそ真の強さ”**を理念に、空手・仏教・日常修行を通じて「心を整える生き方」を発信しています。


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